シャープは新しいモバイルインターネットツールのPC-Z1「NetWalker」を発売する。これはネットブックより小さく、iPhone 3Gのようなスマートフォンより大きいが、それらとほぼ同じことができるもので、MIDとも呼ばれる新ジャンルの製品だ。目指しているのは、手軽に持ち運べるサイズであること、パソコンのように起動時間がかからず携帯電話のようにすぐ使えること、どこでもインターネットに繋がることなどだ。
確かにノートPCは小さくなっても1kg近い重さがあるし、VISTAではあまりの起動時間の長さにうんざりする。その点、本機は161.4×108.7mmというコンパクトサイズで、重さはたったの409g。一方、起動時間はわずか3秒なので、外で調べ物をしたい時、メールチェックしたい時にすぐ使える。これはいい。
また、QWERTY配列のフルキーボードを搭載しているため、長いメールを打つ時でも親指だけを酷使して辛い入力をする必要がない。液晶もケータイに比べ格段に大きい5型でフルカラー、解像度は1024×600ドットなので一般的なネットブックと同じだ。しかもタッチパネル液晶なので、画面を直接ポイント&ドラッグで操作できる便利さもある。電池は公称で10時間持つということなので、例によって半分と見積もっても5時間。十分だろう。

面白いのは、こんなに小さくてもかなりパソコン寄りの製品なので、知識があれば色々いじれそうな所だ。CPUはARM系、メインメモリは512MB、記憶装置は4GBのフラッシュメモリ(ユーザー領域は2GB)。CPUクロックは800MHzで非力に感じられるが、動画再生支援機能を持っているのでWMVファイルの再生などは問題なくこなす。また記憶領域の小ささはmicroSDスロットでカバー。恐らく多くのマニアは16GBのmicroSDを挿しっぱなしで使うことになるだろう。USB端子も2つあるので、最低限の拡張性は確保されている。
OSにはLinuxの一種の「Ubuntu」のカスタマイズ版を搭載しており、Linux用の豊富なフリーソフトが自分で入れられる。ソフトといえば、Microsoft Officeとも互換性のあるOpenOffice.orgがインストールされているため、会社のWord書類やExcelの資料を外で確認・修正することができる。また、この形を見て電子辞書を想像する人は多いだろうが、まさにそうした使い方もできるようになる。語学や専門分野向けの辞書、文庫やコミックなどのお楽しみコンテンツがシャープから(恐らく有償で)提供される予定だからだ。microSDでの提供か、ネットからのダウンロード販売かはまだ分からないが、いずれにせよこれは便利だ。私も100コンテンツ入りの5万円近い電子辞書を持っているが、実際使うのは国語系・英語系の一番大きな辞書一冊ずつだったりするので、NetWalkerに辞書カードを入れれば実はそれで済んでしまうのだ。デジタルギアを複数持たなくても仕事になるとすれば、それが一番スマートではないか。
どこでもネットに繋がるといいつつ、現在は11b/gの無線LANだけでWirelessWANを内蔵していない(=どこでも繋がるとは限らない)といった悩みもあるが、USBがあるのでそれも致命傷ではない。想定市場価格も4万4800円と手頃で、ネットに繋がらない私のモノクロ電子辞書より安かったりする。本体は白、黒、赤と3色あるので選ぶ楽しみもある。これは発売日の9月25日が楽しみになってきた。(秋葉好夫)










