今年もまた最先端技術の見本市、CEATEC JAPANの季節がやってきた。今年は10/6〜10のようだが、会場に行ったらぜひ見ておきたいものがある。三菱電機が参考出品した155型の有機ELディスプレーだ。まだ商品化時期も未定な技術展示であり、一般家庭向けの商品でもないけれど、デジタル業界の一つのキーワードとして「デジタルサイネージ」が注目されている昨今なので、今回はこれを紹介しよう。
一般家庭だと60型のTVでも「かなり大きいなあ」という印象になるが、このディスプレーは155型ということで、縦は192cm(日本人の平均身長171cmを遙かに超えている)、横は345.6cm(我が家の天井高245cmより更に1m長い!)と、そんなものとはケタ違いの大きさだ。ところが、厚さは僅か8.15cmしかない。同社には「オーロラビジョン」というLEDを使った大型ディスプレーがあるが、それのたった4分の1だという。家庭用の大型TVだって厚さは10〜15cmあることを考えると、驚異的な薄さだといえる。薄くなれば重量も軽くなるし、曲面を帯びた壁や柱にも設置できるそうなので、設置場所に困ることはなさそうだ。
さらに凄いのは、このディスプレーを縦横に繋いでいけば、サイズはどこまでも巨大にできること。通常、「47型」など規格型のディスプレーを縦横に並べて大きく表示しようとしても、ディスプレーの縁(目地)があるので絵は途切れてしまう。人間の目というか脳は性能がいいので、それでも1枚の絵として認識できる(ニンテンドーDSであれだけ画面が離れていてもどうにか1枚の絵と思い込めるほどだ)。だが、本当は目地がなければない方がいい。今回のディスプレーは本当に「目地レス」なので、並べていけば超縦長や超横長だがきっちり絵は繋がっているという、とんでもないディスプレーが作れるのだ。
もう一つ。発光原理が液晶でもプラズマでもない有機ELだというメリットがある。100型を超える大型映像装置に有機ELを使用したのは世界初ということだが、このおかげで輝度1200cd/㎡という非常に明るいディスプレーができた。家庭用の液晶モニタは350cd/㎡位で高輝度と呼ばれるので、超高輝度くらいの感じだろうか。加えて有機ELは自発光の素子。液晶は後ろから蛍光灯で光を当てているので黒を表現したくても真っ黒にはできず、「黒浮き」するのが悩みだが、有機ELでは完全な黒が表現できる。結果、このディスプレーは明るいだけでなく高コントラスト・高画質になり、ショーウインドーや吹き抜け空間などの明るい所でもはっきり見えるものになっているという。
有機ELの製品、例えばTVはまだ高くて我々の生活には縁遠いと感じていたが、こういう所でどんどん使われることで身近になり、価格もこなれていくのだろう。(秋葉好夫)

