10/22、ソニーからVAIO Xが発売になった。最近新製品が多くタイミングが合わなかったため、本欄では紹介しそびれていたのだが、実は個人的に一番気になっていたのがこれだ。発表は10/8だったのでスペック等は既に大分知られていると思うが、発売を記念して改めて紹介してみよう。
まず、最大のポイントは薄くて軽いこと。最厚部でも13.9mmでボディはフラットと、まさに紙のノートのよう。これまで薄さの代表例だったMacBook Air(以下Air)も最厚部では19.4mmあって、部分的にはかなり丸っこいので見た目からして大分違う。当然重さも世界最軽量で、Sバッテリーなど最も軽い構成にすれば僅か655g。Airは1.36kgなので丁度半分くらいだ。さすがにSバッテリーだと公称5時間しか持たないので同10時間のLバッテリーが必須だが、これでも745g。Lバッテリーなら実際にも5時間程度は外で使えるだろう。
また薄さのために多くの端子を切り捨てたAirと異なり、VAIO Xは1000BASE-TのLAN端子やVGA端子も捨てていない。だがLAN端子は汎用品では厚くなってしまうため、特殊な折畳み形状のものを搭載している。そこまでやるかという印象だ。一方どんなに薄くても、物理的に弱くて液晶がすぐ割れてしまうようでは持ち歩けない。そこでXはハイブリッドカーボンの天板や特殊成型のアルミパームレストで筐体を構成し、約150kgfの平面加圧に耐える丈夫さも持っている。これもいい。
ただし、さすがにこの薄さ・軽さで長時間駆動を実現するためにはCPUパワーは妥協せざるを得ず、店頭モデルではAtomの中でも省電力なZ540(1.86GHz)になっている。VAIOオーナーメードモデルでは2GHzのZ550や逆にクロックの低い1.60GHzのZ530も選べるのだが、仮にZ550にしたところでAtomはAtom。そう高いパフォーマンスは期待できない。だがOSが、軽いと評判のWindows7(Home Premium)で、メモリも2GB(オンボードで増設不可)あることを考えると、ネットブック的に使うなら十分ではという気もする。
そして、遅さを我慢しても買ってみたくなるポイントが豊富にある。まずは液晶。11.1型ワイドでネットブックの10型より少し大きく、解像度が1366×768と高精細、おまけにバックライトがLED、最後のとどめがノングレアであること。ネットブックの天地600ピクセルでは何を見るのでもキツいと日々実感しているし、ピカピカ液晶はショップでは綺麗だが実際には照明や顔が映り込んで見づらいことこの上ない。LEDのノングレア液晶は実は数少ないので、これだけでもかなりグッと来る魅力がある。
またこのサイズながらUSBを2つ、SDスロットとメモリースティックスロットを1つずつ持っている。個人的にはWebカメラや内蔵マイクには重要性を感じないが、無線LANの11b/g/n対応、Bluetoothが積めること、WiMAXかFOMAの無線WANかを内蔵できることなど、通信機能の充実ぶりは魅力が大きい。のみならずストレージがSSDで、店頭モデルでも64GB。これも面白い。ネットブックは4GBのSSDに始まったのだし、私が今持っているのも16GBしかないため、64GBもあれば結構色々できると思う。またここがニクいのだが、店頭モデルはSSDがUltra ATA接続なので、あまり速くないらしい。しかしオーナーメードモデルで選べる128GB、256GBのSSDは、S-ATA接続なのでアクセスが61%も速いのだそうだ。そう聞くと128GBでいいからS-ATAにしたい......と思いますよね。
で、最後に私の背中を押しかけているのが、このニッポン製ハイテク技術の塊のような製品が、オーナーメードモデルで最安構成の場合は8万9800円から買えること。SSDを128GBにしてBluetoothを積み、バッテリーをLにした「普通、こうだろう」な構成にしても10万9800円で、そう高くない。さすがに、ありきたりなスペックの3〜4万円台のネットブックと比べると安いとは言い難いが、ちょっと前ならこれだけの特殊なモデルだけに20万円の声を聞いていた筈だ(事実、04年に出た780gのVAIO type 505 EXTREMEは25万円位していた)。今は注文殺到らしいが、不思議でも何ともない。さて私はどうするか。今、非常に困っております。(秋葉好夫)

